保育士試験の伴奏問題が
全く分かりません。。
今回はこのような質問にお答えします。
保育士試験で勉強をしていると、
多くの人は伴奏問題に苦戦したかと思います。
初めは全く分からなかったのですが、
ある法則を知ると正答率8割を超えるようになりました。
実際に2020年後期の保育士試験ではこの法則を使い、
音楽に関する問題を全問正解したので
是非、伴奏問題は捨て問題にせず
むしろ得点源として欲しいなと思います。
✔本記事の内容
- 初めに三和音を理解しよう
- 選択肢を三和音で分類しよう
- 伴奏問題の法則を知ろう
- 実際の問題に挑戦してみよう
※本記事では、2020年度までの保育士試験の解説です。
今後の出題傾向が変更することをご了承下さい。
また、基本的な音符や音階については
理解している前提で話を進めますので、
まだ分からない人はまずそれを理解し、
楽譜を読めるようになってから読み進めて下さい。
初めに三和音を理解しよう
三和音とはある音の上に3度ずつ間隔をあけて
3つの音を重ねたものを言います。
例えば、ドの3度上はミ、ミの3度上はソとなり
三和音はド・ミ・ソとなります。
この三和音にはいくつか種類があるのですが
今回覚えて頂きたいのは全部で4種類。
- 音階の第1音をはじめとする主和音、これをⅠと表記します。
- 主和音から4つ上の音で作る三和音が下属和音、これをⅣと表記します。
- 主和音から5つ上の音で作る三和音が属和音、これをⅤと表記します。
- 属和音の上にさらに音を重ねる和音が属七の和音、これをⅤ⁷と表記します。
例えば楽譜がハ長調であるならば、
ドから始まる音階となり、
それぞれの三和音は以下の通りになります。
- 主和音はドの音から始まるド・ミ・ソとなります。
- 下属和音はドの4つの上のファから始まり、ファ・ラ・ドとなります。
- 属和音はどの5つ上の音のソから始まり、ソ・シ・レとなります。
- 属七の和音は属和音に音を重ねるので、ソ・シ・レ・ファとなります。
例ではハ長調でしたが、他でも考え方は同じです。
もしヘ長調であれば、ファから始まる音階なので、
主和音(Ⅰ)はファ・ラ・ド
下属和音(Ⅳ)は4つ上がってシ・レ・ファ
属和音(Ⅴ)はド・ミ・ソ
属七和音(Ⅴ⁷)はド・ミ・ソ・シになります。
選択肢を三和音で分類してみよう
問題で楽譜はハ長調と仮定します。
- シ・レ・ソ ド・ミ・ソ
- ド・ミ・ソ ド・ミ・ソ
- ド・ミ・ソ ド・ファ・ラ
- シ・レ・ソ ソ・レ・ソ
- ド・ミ・ソ ソ・レ・ソ
このような選択肢であった場合、
どのような三和音の構成か分類しましょう。
先ほどを一度振り返ると、
ハ長調の主和音(Ⅰ)はド・ミ・ソ
下属和音(Ⅳ)はファ・ラ・ド
属和音(Ⅴ)はソ・シ・レ
属七和音(Ⅴ⁷)はソ・シ・レ・ファと言いました。
選択肢を分類してみると、
- Ⅴ→Ⅰ
- Ⅰ→Ⅰ
- Ⅰ→Ⅳ
- Ⅴ→Ⅴ
- Ⅰ→Ⅴ
このように選択肢の音の違いが分かるかと思います。
ここまでできればあともう少しです。
伴奏問題の法則を知ろう
最後に先ほどの選択肢を
伴奏問題の楽譜に当てはめるのですが
ここで知っておきたい法則が5つ存在します。
- 初めの1小節目は主和音(Ⅰ)であることが多い
- 三和音はⅣ、Ⅴ、Ⅴ⁷の後に主和音(Ⅰ)になりやすい
- ⅤやⅤ⁷の後にⅣがくることはない
- 右手のメロディーと同じ音で構成されやすい
- 1小節に主和音のいずれか1音のみである場合、主和音(Ⅰ)になりやすい
これらを意識しつつ選択肢を絞っていけば、
正解へ導くことができます。
実際の問題に挑戦してみよう
ここまでで、解き方を教えてきましたが、
解き方が分かっても
実際に問題を解けなくては意味がありません。
先ほどの手順と法則を思い出しながら、
問題に挑戦してみましょう。
<問題>次の写真のABCDに当てはまる伴奏の組み合わせを1~5から選びなさい。
- アアイエ
- イウエエ
- イエアウ
- ウイウア
- ウエアア
先ほどの手順通り、まずは和音を分類します。
楽譜はハ長調なので
主和音(Ⅰ)はド・ミ・ソ
下属和音(Ⅳ)はファ・ラ・ド
属和音(Ⅴ)はソ・シ・レ
属七和音(Ⅴ⁷)はソ・シ・レ・ファとなります。
ア~エの選択肢を見てみると、
以下のようになります。
- ア.ド・ミ・ソ ド・ミ・ソ シ・レ・ソ シ・レ・ソ
- イ.ド・ミ・ソ ド・ミ・ソ ド・ファ・ラ ド・ファ・ラ
- ウ.ド・ミ・ソ シ・レ・ソ ド・ミ・ソ ド・ミ・ソ
- エ.シ・レ・ソ シ・レ・ソ ド・ミ・ソ ド・ミ・ソ
これを三和音に変換します。
- ア.Ⅰ→Ⅰ→Ⅴ→Ⅴ
- イ.Ⅰ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅳ
- ウ.Ⅰ→Ⅴ→Ⅰ→Ⅰ
- エ.Ⅴ→Ⅴ→Ⅰ→Ⅰ
ここから法則に従って当てはめていきます。
まず、【初めの1小節目には主和音(Ⅰ)が来やすい】という
法則を見ると、選択肢にAの伴奏に
Ⅰ以外が入るのはエだけですが、
Aに当てはまる選択肢にエはなかったので、
これでは絞りこめませんでした。
続いて、【1小節に主和音のいずれか1音のみである場合、
主和音(Ⅰ)になりやすい】という法則を見ていくと、
この伴奏の2小節目と4小節目は
ハ長調の主和音であるミとドの1音のみである為
主和音が入る可能性が高いです。
選択肢を見ると2小節目と4小節目に主和音(Ⅰ)が入るのは、
ウとエしかありません。
1~5の選択肢の中で、
AとBの伴奏にウとエいずれかが入る選択肢は
5しかないので、よって解答は5となります。
このように法則さえ知っていれば、
簡単に正解を導くことができます。
もしかしたら今回の解説が知らない単語ばかりで
難しく感じたとしても焦る必要は全くありません。
僕も初めはさっぱり分かりませんでしたし、
何度も反復して問題を解くと必ず分かるようになります。
今回は以上となります。合格に向けて応援しています。